2012年3月15日木曜日

フリーターの高齢化問題

いわゆる「フリーター」と呼ばれる人々のうち、35~44歳の層が過去最高の50万人に達したと、日本経済新聞が報じています。
政府によるフリーター対策は、この層よりも若年層に向けてのものが多いとされ、就職氷河期の影響を受けた35~44歳の対策が手薄になっているとの指摘があります。


以下、記事の抜粋です。
「フリーター」進む高年齢化 35~44歳、最高50万人
11年2割増 バブル後の氷河期世代

アルバイトやパートで生計を立てる「フリーター」の高年齢化が進んでいる。35~44歳のフリーターは2011年平均で約50万人と、過去最高に なった。バブル崩壊に伴う就職氷河期といわれた1993年以降に高校や大学を卒業し、アルバイトなどを続けてきた人がそのまま40歳前後になった影響とみ られる。現在は15~34歳に照準を合わせている政府のフリーター対策も見直しを迫られる可能性がある。
35~44歳のフリーターは東日本大震災の被災地を除くベースで前年より8万人、19%の増加だった。被災地を含めた前年調査と比較しても6万人増え、データを遡れる02年(25万人)からは倍増した。
02年時点では35~44歳の世代に占めるフリーターの割合は1.6%だったが、その後は上昇傾向を続け、11年には2.8%に達した。この世代が 学校を卒業した時期にあたる95年の15~24歳の失業率は5.5%。これに対して12年1月の失業率は9.5%と雇用環境は厳しさを増しており、就職で きずにフリーターを続ける人の割合は今後、高まる公算が大きい。
実際、15~34歳の世代でもフリーターは増えており、11年は176万人となった。03年の217万人をピークに減少していたが、リーマン・ショック後の09年から増加に転じた。
政府はフリーターらを試用する企業に奨励金を支払うトライアル雇用制度や、就職に向けた助言やセミナーなどを行う「ジョブカフェ」などの対策を進め ている。ただ現行のフリーター対策は若年層に対象を絞ったものが多い。35歳以上の「高齢フリーター」は政府の統計にも入っておらず、対策は手薄だ。
企業の多くは新卒採用志向で、20歳代の社内教育を重視する企業風土も根強い。このため、いったんフリーターになると、中途採用などで正社員になる機会は少なくなる。硬直的な雇用ルールの見直しなど、労働市場の流動性を高めなければ、フリーターが増え続ける可能性がある。
今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日時点)は71.9%。調査を始めた96年以降で最悪だった前年(68.8%)よりは改善したものの、過去2番目の低水準だった。

40歳すぎたフリーターは、若者?それとも中年?

そもそも、若者って何歳まで?
時代や社会状況によっても「若者」の定義は変わるものでしょうが、個人的感覚では、やはり30代半ばまでという感じがします。40歳を若者とは言いにくい感じがします。とすれば、40歳以上のフリーターとは、いわば、中年フリーターということですね。

2009年に、厚生労働省の「地域若者サポートステーション事業」での、「若年無業者」の定義年齢が、それまでの35歳以下から40歳以下に引き上 げられていますから、まあ、この時代、40歳までは若者で、仕事探しの支援もしましょう、ということなんでしょうか?この流れで、どんどん支援対象年齢が 上がっていくのではないかと、恐ろしい気がします。

しかし、考えてみれば、シニア層にはいろいろな支援があって、若者への支援も進まないながらも課題として指摘されていますが、中年層は、対象からこぼれてますよね。中高年などと、ひとくくりにされたり。これまでなら、最も働き盛りで、社会の担い手の中心で、支援対象とは考えられなかった層ですが、この先はそうは行きそうにありません。「地域ミドルサポートステーション 事業」などというものが実施されることのないように祈りたいです。

一方で、「一生フリーターではいけないのか?」という観点もあると思います。
メディアでの取り上げ方は一面的でステレオタイプな感じがします。
「フリーターでも、それなりに暮らしていけるような社会のしくみはないのか?」というようなテーマの立て方も必要ではないでしょうか?根本的な、パラダイムシフトが必要ではないかと感じます。