NPOは、定年後の経験豊富なシニアの力をかりたいと思っているが、その一方で、不安も大きい。
そんなデータがありましたので、ご紹介します。
少し古いデータになりますが「シニア世代活用」に関するアンケート調査です。
(データ引用:2009.3「再チャレンジのきっかけとしてのNPO雇用状況アンケート調査報告」 再チャレンジ学習支援協議会)
(データ引用:2009.3「再チャレンジのきっかけとしてのNPO雇用状況アンケート調査報告」 再チャレンジ学習支援協議会)
経験豊富なシニアへの、期待と不安。
「定年退職後のシニア」を求めているNPOは78%。
多くのNPOがシニアの力を活用したいと考えています。
具体的に力を貸してほしいと考えている事項としては、以下のようなものがあります。
- 前職のスキル
- 人脈
- 組織運にすぐれた点を生かす
しかし、実際の受け入れは、不安。
ニーズはあっても、実際にシニアを受け入れることには、失敗経験を含め、いくつかの不安があるようです。
上位にあげられているのは、表現こそ違えど、同じような指摘です。それは、「ビジネス分野でのキャリアや成功体験があるからこそ、そこからの意識転換が出来ず、新しい組織への理解や柔軟性が求めにくいのではないか」、という不安です。
意識を変えれば、第二の人生が充実する。
NPOだけではありません。先日お話を聞いた、キャリアシニアを専門に扱う人材派遣会社でも、同じような課題に直面していて、最初は「仕事があるだ けでもありがたい」「何でも、やります」と言っていたシニアが、徐々に給与条件や労働条件での不平をもらすようになることが多いのが悩みなのだそうです。アメリカなどでは、重役まで行った人が、リタイア後、警備員や駐車場係などの仕事を始めた場合には、陽気に楽しく働いて人気者になったりもするそうで、それはおそらく「ここからは、次のフェースだという切り替えがはっきりしている」のではないかということでした。
また、いまは、年金支給年齢との兼ね合いで、定年延長や再雇用が企業に義務付けられるようになりましたが、そこでも、肩書きを失ったり給与が下がっ たりすることにより、モチベーションが低下することが、ひとつの問題としてあげられ、企業の人事部の課題になりつつあるそうです。
あまりにも長くひとつの会社にいると、知らず知らずのうちに、ひとつの価値観や成功体験に縛られ、そのことさえ自覚できなくなりがちです。早く、そこから抜け出して、次の価値観を見つけることが、まずは、より有意義なセカンドライフへの第一歩ではないでしょうか。